2014年03月09日

那覇空港新国際線ターミナルビルとバリアフリー

平成25年3月3日
沖縄バリアフリー研究会 井上 将

那覇空港新国際線ターミナルビルとバリアフリー


2月17日、那覇空港新国際線ターミナルビルがオープンしました。
計画段階でバリアフリー(以下、BF)アドバイスに関わった者として、意見を述べたい。
 介護保険法のスタートとから15年が経過。「BF 新法」など法整備が進むにつれ、
建築家は、定められた法例・条例に合わせ確認申請手続きをクリアーする事でよしとし、
福祉の原点「心のBF」が忘れられています。公共性の高い建築物でさえ、
明らかに「実用性は?」と疑問に思われるBF設定を見かけることがあるのです。
問題点を述べてみます。

1.スロープ勾配:法令・条例ではスロープ勾配は1/12以下とされ、
現状多くのスロープは最低基準の1/12勾配での設定です。
公共性の高い建築で、日常的に使用されているスロープも同様で、
体力の無い女性の介助では車椅子走行には危険です。
公共性・日常性の高い「空港ターミナルビル」の搭乗橋は1/12勾配で設定されています。
事故には至らない迄も、非力なグランドコンパニオンが避けて通りたい
車椅子介助サービス箇所となっています。小型機搭乗には別途リフトトラックの導入が必要です。
1/12勾配は非常脱出用スロープとしての限定的使用かEVの補完役に留め、
「公共性の高い建築・構造物で日常的に使用する高低差1.5メートル以上のスロープは
1/15勾配以下が望ましい。」との法令・条例の改定が、必要です。

2.内部障碍者:内部障碍者は「一番遅れて来た障碍者」。医療技術の進歩により、
人工肛門を装着、生活をキープしておられます。
後発だけに、建築家はもとよりBFアドバイザー・福祉関係者に、実態・ニーズ・適切な対策などの
知識がありません。知識不足ゆえに、不必要な重装備が全国的に多く見られ、無駄な設備となっています。
那覇空港新国際線ターミナルビルでも計画段階では多くのオストメイトシンクが付いていましたが、
日本オストミー協会沖縄支部の要請でエリア別に一箇所ずつ、計4箇所に減らして頂きました。
一階ロビーは当初から内部障碍者専用ブースとなっており、BFの進化を評価出来ます。
身長150~180cm台の内部障碍者使用が想定される公共施設のオストメイトシンクは高さ調整できる
上下可動式が望ましいのですが、残念ながら内部障碍者の要請は採用されませんでした。
「不特定の人が使う公共施設のオストメイトシンクは上下可動式が望ましい」との
法令・条例の一部改定が必要なのです。


平成25年3月9日 琉球新報オピニオンに掲載


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Posted by 沖縄バリアフリー研究会 at 12:44│Comments(0)オピニオン
 
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