2009年04月30日

エコ推進・駐輪場のすすめ

琉球新報に投稿しました。囲み記事扱いとなりました。

「エコ推進・駐輪場のすすめ」


平成21年4月24日


 沖縄は自転車後進地域、未だに車が下駄・サンダル替わりです。

東アジアを眺めてみると、韓国では肉体使用蔑視の儒教の影響か、街中で自転車を

見掛けることは稀です。

一方、北朝鮮では切迫したエネルギー不足で自転車は貴重な移動手段。

日本海側の港から放置自転車を山積み、北に向かう船の映像をよく見掛けました。

中国都市部での、洪水の様な自転車の大群は風物詩と言える程、お馴染みの風景でしたが、

最近は車・全電動自転車が増えています。

台湾・台北はバイクが席巻する世界でしたが、今は自動車ラッシュに替った事でしょう。

東アジアの自転車事情は国により様々です。

 エコ、省資源、メタボ対策に有効と、自転車利用は世界的にも静かに拡大中。

沖縄でも、「ツールド沖縄」、モノレール駅の駐輪場、おもろまちの「無料レンタルサイクル」等、

徐々に自転車利用が拡大しています。

しかし沖縄の施設では、バイク用・自転車用の駐輪場設置は稀です。

その為、バイク・自転車のはみ出し駐輪となり、歩行者のバリアーとなっています。

ライダー側のモラルの問題もありますが、駐輪場を整備しない施設側、設置指導の無い行政側に

責任の過半があるようにも思えます。

 現在、国土交通省は環境に優しい交通手段への転換を目指し、全国98箇所でモデル地区を指定、

自転車通行環境の整備を推進しようとしています。

沖縄県では那覇市「赤嶺・壷川地区」が指定され、自転車走行路整備が予定されています。

この事業には、幾つかの課題があります。

①利用増加に備え、市町村条例により、自転車・バイクの「分別駐輪場」の整備を規定する事。

②事故予防のため、自転車交通ルール(夜間点灯・速度制限等)教育を周知徹底させる事。

③小・中・高生対象の自転車運転許可制度を検討する事。

④自転車道に接する主要交差点では、歩行者と分離した、自転車用横断道を整備する事。

⑤自転車事故共済保険制度等の充実。

 沖縄では、施設計画の段階で、「駐輪場」が意識されることは稀です。

しかし現場の実態を見ると自転車用・バイク用の駐輪場の必要性は誰にでも理解できます。

高齢化の進行を考えると施設用途によっては電動スクーター用も必要。

特に都市部においては、行政側も建設主側も、分別駐輪場設定を計画当初から意識する必要

があります。

自転車使用の正しいガイドラインに沿った、ハード面とソフト面を整備した上での、エコ環

境推進自転車利用普及でありたいものです。

沖縄バリアフリー研究会 理事長 井上 将





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Posted by 沖縄バリアフリー研究会 at 10:58│Comments(0)コラム
 
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